抄録
症例は1カ月男児3.8 kg.在胎39週,正常分娩にて出生.日齢2に心雑音を指摘され精査目的に当院紹介となりCTにて右頸部大動脈弓を認めた.頸部動脈第2分枝(右総頸動脈)と第3分枝(右鎖骨下動脈)の間に縮窄(最小径3 mm)を認めたがエコー上,流速1.8 m/sと加速は軽度で,左室駆出率53%と許容範囲であった.気管食道の圧迫所見はなく哺乳も良好となったため退院,外来経過観察とした.また特異顔貌から染色体検査の結果,22q11.2欠失症候群と判明した.新生児期は無症状で経過したが生後1カ月を過ぎて喘鳴が出現するようになり外来受診,エコーにて縮窄部流速5.1 m/sと増強し,左室駆出率は24%と著しく低下していた.縮窄増強,後負荷増大による急性左心不全と診断し緊急手術を施行した.正中切開,人工心肺下に縮窄解除手術を行った結果,縮窄圧差は消失し左室駆出率は67%に改善,32病日に軽快退院した.乳児期早期に手術介入を必要とする稀な頸部大動脈弓縮窄症例を報告する.