抄録
症例は71歳男性.2006年5月に遠位弓部大動脈瘤に対し,胸骨正中アプローチにて,Branched Open Stentgraft(BOS)法による人工血管置換術を施行した.その後,2009年1月にステントグラフト末梢側のType IエンドリークにてTEVARを施行した.さらに同年11月にステントグラフト接合部のType IIIエンドリークに対して再度TEVARを施行した.2011年5月,突然の背部痛が出現し来院した.CTにてステントグラフト末梢側のType Iエンドリークと判明し,また瘤径が10 cmと著明に拡大していた.切迫破裂の診断にて,再度TEVARを行うことを考慮したが,ステントグラフトの向きから技術的に困難と考え,TEVARは断念し,開胸手術を選択した.全身麻酔下,右側臥位にて,部分体外循環下に瘤壁を切開し,ステントグラフトの一部を残してこれに新たな人工血管(Gelweave)を端々吻合した.末梢側は自己の大動脈と吻合した.術後経過は良好で,術後11日目に独歩退院した.