日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
高安動脈炎の診断がついた高齢男性における,未破裂バルサルバ洞動脈瘤の1手術例
林田 智博横田 豊徳永 宜之中井 幹三岡田 正比呂
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2015 年 44 巻 2 号 p. 117-120

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抄録
症例は64歳,男性.肺炎を契機に他院に入院した際のCTで,左冠洞と無冠洞にそれぞれ31 mm,21 mmの瘤を認めた.大動脈弁の逆流を軽度認め,自己弁温存大動脈基部再建術を予定したが,術中所見よりBentall手術に移行した.瘤壁の病理組織像は高安動脈炎の所見であり,疫学的背景から考えても非常に珍しいものであった.経過は良好で術後14日目に独歩退院した.高安動脈炎による未破裂バルサルバ洞動脈瘤は稀であり,文献的考察を含めて報告する.
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© 2015 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
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