抄録
症例は14歳,男性.運動中に失神があり,精査にて左冠動脈主幹部の低形成を認めたため,心筋虚血に伴う心原性失神と診断し,左冠動脈領域への血行再建を行うこととした.手術は,非体外循環下に左内胸動脈を用いて1枝バイパス術を施行した.術後のグラフト開存は良好で,胸部症状,虚血所見なく経過している.若年期に胸部症状,失神が契機に発見された左冠動脈低形成の手術症例を報告した.左冠動脈の形態異常に伴う虚血の関与は稀ではあるが,突然死の原因となることもあり注意が必要である.また,このような症例に対して,冠動脈バイパス術は有用であると考えられた.