日本心臓血管外科学会雑誌
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[大血管]
Kommerell 憩室に対して全弓部分枝バイパス下ステントグラフト内挿術を施行し術後2年が経過した1症例
早川 真人西島 功永野 貴昭新里 建人池村 綾宮城 和史伊波 潔瀬名波 栄信下地 光好赤崎 満
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2019 年 48 巻 3 号 p. 202-205

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抄録

症例は78歳の女性.胸部異常陰影を指摘され,CTにて右大動脈弓,左鎖骨下動脈起始異常(ALSA)を伴うKommerell憩室(KD)を指摘された.自覚症状は認めなかったが,動脈瘤の最大径が63 mmであったことから手術の方針とした.手術は胸骨正中切開でアプローチし,側枝を作製した4分枝管人工血管を上行大動脈に端側吻合した.次に頸部分枝の再建を行った後,側枝よりConformable GORE® TAG®(W.L. Gore and Associates,34 mm×200 mm)をZone 0からTh 7の範囲に展開した.最後にALSAのコイル塞栓術を行い,最終確認造影ではエンドリークを認めなかった.術後36日目に独歩退院となり,術後2年目のフォローでは瘤径の縮小を認め経過は順調であった.

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