日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
[成人心臓]
胸骨部分切開による MICS-AVR 15年後に右肋間小開胸 MICS-AVR を施行した1例
阿部 貴文迫 秀則森田 雅人髙山 哲志田中 秀幸安部 由理子宮本 伸二
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 48 巻 4 号 p. 250-253

詳細
抄録

胸骨部分切開によるMICS-AVR後に,右肋間小開胸MICS-AVRを施行し,良好な転帰をたどった症例を経験したため報告する.症例は65歳男性.15年前に他院にて大動脈弁閉鎖不全症に対して,胸骨部分切開で生体弁によるMICS-AVRを施行された.術後15年経過したところで動悸や胸部圧迫感の症状が出現し,人工弁機能不全による重度の大動脈弁閉鎖不全症を来しており,再手術の方針とした.前回が胸骨部分切開によるMICSであったため,今回は右肋間小開胸によるMICS-AVRを施行した.術後経過は良好で術当日に抜管し,早期離床を行い,術後13日目に自宅退院した.前回手術がMICSであったため,心嚢内の癒着は少なかった.再手術においても,MICSは有用であることが示唆された.

著者関連情報
© 2019 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top