2020 年 49 巻 2 号 p. 86-89
症例は77歳男性.慢性腎不全による尿毒症に対し緊急血液透析目的に,前医で右頸部よりバスキュラーアクセスカテーテルを挿入された.確認の胸部レントゲンでカテーテル先端が縦隔左側に位置しており,造影CTでカテーテルは右内頸静脈を貫通し右鎖骨下動脈から腕頭動脈を経由して上行大動脈へ留置されていたため,当院搬送となった.手術はVIABAHNにて損傷部をカバーし1時間で終了した.術後より持続的血液濾過透析を施行し,翌日紹介元へ転院となった.医原性動脈損傷に対する血管内治療は直視下手術と比べ低侵襲であり,直達困難な部位でも出血コントロールを付けやすい.また穿刺部以外の創部を作らない血管内治療は,直視下手術ほど創部出血の懸念がないため,本症例のように血液透析のため抗凝固療法をすぐ行う必要がある場合は特に有用だと考えられる.