日本心臓血管外科学会雑誌
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[大血管]
破裂性腹部大動脈瘤に対する腹部大動脈ステントグラフト内挿術,減張開腹術後に後腹膜血腫除去術を併用し早期閉腹した1例
田村 智紀高橋 秀臣堀越 理仁入澤 友輔宝来 哲也
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2020 年 49 巻 2 号 p. 81-85

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抄録

破裂性腹部大動脈瘤(rAAA)に対する腹部大動脈ステントグラフト内挿術(EVAR)術後の重要な合併症の1つに腹部コンパートメント症候群(ACS)がある.これに対しては減張開腹術(OAM)の有効性が報告されているが,その後の閉腹時期,閉腹方法に関しての報告は少ない.今回われわれは,rAAAに対するEVAR, OAM術後に後腹膜血腫除去を併用することにより早期閉腹が可能であった1例を経験したので報告する.症例は79歳女性,rAAAに対して緊急的にEVARを施行した.EVAR終了後にACSを合併しておりOAMを施行した.第4病日に腹腔内圧の低下を確認し,造影CTにてendoleakを認めなかった.同日に後腹膜血腫除去術を併用し閉腹術を施行した.術後経過は良好で自宅退院となった.rAAAに対するEVAR, OAMの際の閉腹術には後腹膜血腫除去術を併用することにより早期の閉腹が可能になるかもしれない.

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