2020 年 49 巻 6 号 p. 385-389
症例は48歳男性.解離性大動脈瘤(DeBakey III B型)に対し25歳時に下行大動脈置換術,27歳時に上行大動脈瘤に対し上行大動脈+部分弓部大動脈置換術,28歳時に残存解離による胸腹部大動脈瘤に対し胸腹部大動脈置換術を施行され外来で経過観察されていた.3回目の手術時に腹腔動脈・上腸間膜動脈・右腎動脈がVisceral aortic patch(VAP)を用いて再建されており,同部の残存している自家大動脈壁に瘤化(最大径70 mm×61 mm)を認めたため手術の方針となった.2回の左開胸手術後であったため2期的にhybrid aortic repairを施行する方針とし1回目にreno-visceral debranching手術,2回目にステントグラフト内挿術を行い,瘤の空置に成功した.