日本心臓血管外科学会雑誌
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[先天性疾患]
出生後2時間で手術介入した左室大動脈トンネルの1例
村山 史朗野村 耕司黄 義浩磯部 将
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2021 年 50 巻 1 号 p. 15-18

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抄録

症例は0生日男児,胎児期に高度な左室肥大と大動脈から左心室への逆流により左室大動脈トンネル(aorto-leftventricular tunnel : ALVT)の診断がつき,病院間連携をとり出生後2時間で緊急左室大動脈トンネル閉鎖術を施行した.トンネルは右冠尖-左冠尖交連部直上に位置し,径は8 mmであった.また大動脈弁は三尖であったが肥厚し開放制限を認め,右冠動脈起始異常も合併していた.弁の変形や手術侵襲を考慮し,大動脈側開口部のみ自己心膜でパッチ閉鎖した.術後軽度大動脈弁狭窄および逆流を認めたが,経過良好であり左室肥大,心機能の改善を認めた.

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