日本心臓血管外科学会雑誌
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[成人心臓]
心原性ショックをきたした虚血性心筋症と機能性僧帽弁閉鎖不全症に対して術前から IMPELLA 5.0を導入し,左室形成術と僧帽弁置換術を完遂した1例
吉田 壮志坪田 秀樹小山 忠明
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2021 年 50 巻 3 号 p. 155-159

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抄録

重症虚血性心筋症を指摘されていた76歳男性.肺炎と頻脈性心房細動を契機に非代償性の心不全となり,当院へ転送された.左室駆出率12%,SvO2 39.4%であり心原性ショックの状態であった.まず全身状態改善のためにIMPELLA 5.0を導入し心不全加療を行った.IMPELLA導入31日後に体外式膜型人工肺(VA-ECMO) を導入し,翌日左室形成術(overlapping) ,僧帽弁置換術(SJM 31 mm) ,三尖弁形成術,IMPELLA交換を施行した.術後IMPELLA 5.0とVA-ECMOを併用して管理し,術後14日でVA-ECMOを離脱,20日でIMPELLAを離脱し,術後100日目に歩行器歩行,左室駆出率39.0%の状態でリハビリ転院となった.

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