2021 年 50 巻 3 号 p. 174-177
症例は39歳,男性.17年前にリウマチ性弁膜症に対し,機械弁を用い大動脈弁置換術,僧帽弁置換術,三尖弁形成術,MAZE手術を施行されていた.今回,意識消失を主訴に近医に救急搬送となり,VT(Ventricular Tachycardia) と診断され,電気的除細動後に当院へ転送された.ICD(Implantable cardioverter-defibrillator) を装着し自宅退院となったが,4カ月後にICD作動にて再入院となった.その後も頻回のVTを認め,薬物治療にてもコントロール困難であった.機械弁による二弁置換後のため心内膜カテーテルアブレーションが施行困難のため,再胸骨正中切開および体外循環使用下にて心外膜アブレーションを行った.術中Electro-anatomicalマッピングを行い,ターゲット部位を同定しアブレーションを行いVTは消失した.術後28日で自宅退院し,術後15カ月の時点でVTの再発は一度も認めず経過している.