日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
[大血管]
腕頭動脈破裂を来たした Stanford A 型急性大動脈解離の1例
小島 丈典宮本 伸二首藤 敬史岡本 啓太郎川野 まどか和田 朋之
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 50 巻 5 号 p. 333-336

詳細
抄録

症例は58歳男性.突然の胸痛の後に,右頸部の疼痛,腫脹が増悪し搬送された.Stanford A型大動脈解離と診断し,腕頭動脈周囲に血腫を認めたことから同動脈の破裂を疑った.右総頸動脈は解離によって真腔閉鎖していた.緊急部分弓部置換術の方針となり,右腋窩,左大腿の2本送血で体外循環を確立したが,術中腕頭動脈が再破裂したため,右総頸動脈に脳灌流用の人工血管を吻合し,それを用いて分枝再建も行った.術後経過は良好で,脳神経合併症を認めることなく退院に至った.

著者関連情報
© 2021 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top