日本心臓血管外科学会雑誌
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[大血管]
Najuta開窓部からのエンドリークに対して,Squid-Capture法によるin situ stent-graft fenestrationを用いた,Zone 0 TEVARが有用であった1例
大竹 悟史川原 優古仲 美貢大塲 栄一山下 淳阿部 和男鈴木 耕太郎本郷 哲央宮本 伸二
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2023 年 52 巻 1 号 p. 55-58

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抄録

76歳,男性.弓部大動脈瘤にてNajutaを用いた1-debranch TEVARを施行したが,術後に開窓部からのエンドリークが出現し動脈瘤が拡大した.開窓部からのエンドリークに対し,チムニー法やradial forceの強いステントグラフトでの裏打ちなどの追加TEVAR,動脈瘤の直接穿刺による塞栓術などの報告はあるが確立した治療法はいまだない.今回われわれはエンドリーク残存のリスクが少なく,遠隔予後も期待できると考え,Squid-Capture法によるin situ stent-graft fenestrationを用いたZone 0 TEVARを施行した.脳分離循環を行いin situ stent-graft fenestration中の脳血流を確保し,また塞栓予防のために大動脈内の手技に移る前に,頸部分枝中枢の遮断を行った.内骨格構造のNajutaの内部での煩雑なカテーテル操作は難易度がやや高いが,デバイスが内骨格と干渉し不都合な事象が起こらないよう,バルーンによる試験拡張でのワイヤールートの確認,腕頭動脈末梢へのTAG留置による内骨格構造の無効化,Squid-Capture法によるデバイス穿刺の安定性確保など,工夫を凝らして手術を行った.エンドリークは完全に消失し,術後2年間問題なく経過している.本法は治療の難しいNajuta開窓部からのエンドリークの治療として,有用な方法であると考える.

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