2023 年 52 巻 6 号 p. 439-443
症例は55 歳,女性.腎変形の精査目的の造影CTで,腹腔動脈(celiac artery: CA)と上腸間膜動脈(superior mesenteric artery: SMA)の起始部近傍の高度狭窄,下腸間膜動脈(inferior mesenteric artery: IMA)の拡張,嚢状の左結腸動脈瘤(left colic artery aneurysm: LCAA),脾弯曲部のアーケードの辺縁動脈瘤が診断された.LCAAへのコイル塞栓を施行し,内臓動脈への血流改善のために2期的にSMAへのバイパス術を施行したところ,IMAの拡張が改善した1例を経験したので報告する.