2024 年 53 巻 4 号 p. 230-235
膝窩仮性動脈瘤は外傷に伴うものや整形外科手術などの医原性症例が多く,緊急で再建を要することが多い.今回,症状の発現が緩徐であったため,巨大な仮性動脈瘤を形成した症例を経験した.症例は65歳男性.正座を契機に膝上内側の腫脹が進行し,発症から2カ月後に当科紹介となった.CT検査にて膝窩動脈に175×115 mmの巨大な仮性動脈瘤を認めた.破裂部位への直接アプローチは困難と判断し,stent graft(SG)による止血後,血腫除去を行った.術後,開放した仮性動脈瘤内に溜まりを形成し,創哆開から感染を来したため,自家静脈による膝窩動脈バイパスおよびSG抜去を行った.膝窩仮性動脈瘤は,膝窩動脈の損傷程度や部位,閉塞の有無により治療戦略を立てる必要がある.さらに巨大な仮性動脈瘤の場合は,血腫に対する処置の要否も問題となる.治療法の特性を理解し,適切に選択することが重要と思われる.