2025 年 54 巻 2 号 p. 87-90
症例は80歳男性.78歳時に最大短径60 mmの腎動脈下腹部大動脈瘤(AAA)に対して腹部大動脈ステントグラフト内挿術(EVAR)を行った.術中造影でエンドリークを認めたが,起源は不明であったため術後経過観察とした.術後の造影CTでメインボディ中枢側のinfoldingとType 1aエンドリークを認めたが患者から追加の治療同意が得られなかったため経過観察とした.術後1年半で瘤径60 mmから63 mmまで拡大を認めたため血管内治療による追加治療を行った.Infoldingした部分に対してバルーンでの圧着を試みたが,エンドリークは残存した.そこでinfoldingした初回手術のステントグラフトに内張するように追加のステントグラフトを留置するとエンドリークは消失した.術後4カ月経過するがステントグラフトの再infoldingは認めていない.