2025 年 54 巻 2 号 p. 91-94
今回われわれは,小児期に治療介入を要したロイス・ディーツ症候群(Loeys-Dietz Syndrome,以下LDS)合併の左鎖骨下動脈瘤という稀な症例を経験した.症例は12歳女児.11歳時に大動脈弁輪拡大および大動脈弁逆流にてマルファン症候群を疑われ,遺伝子検査にてLDSと診断された.12歳時,大動脈弁輪拡大の経過観察目的で施行された胸部MRIにて左鎖骨下動脈に最大径25 mmの嚢状動脈瘤を指摘された.同病変に対し,動脈瘤に対するコイル塞栓術,および左鎖骨下動脈と左椎骨動脈の外科的血行再建のハイブリッド治療を施行した.術後8日目に独歩退院した.