日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告 [成人心臓]
左胸鎖関節部膿瘍を合併した感染性心内膜炎に対して完全鏡視下弁輪再建,僧帽弁置換術を施行した1例
琴谷 美咲, 良本 政章, 山田 翔平, 舩津 俊宏
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2026 年 55 巻 1 号 p. 7-10

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抄録

症例は78歳男性.繰り返す発熱,関節痛のため当院を紹介受診した.血液培養にてStreptococcus agalactiaeが検出され,経食道心エコー検査で僧帽弁に可動性を有する疣贅および重症僧帽弁逆流が認められた.左胸鎖関節部に膿瘍を認め,血液培養と同じ菌が検出された.感染性心内膜炎と診断し緊急手術を行ったが,胸骨正中切開では左胸鎖関節部膿瘍による縦隔炎発生が懸念されたため,右小開胸での完全鏡視下によるMinimally Invasive Cardiac Surgery (MICS)を選択した.術中所見ではP2 medial側とP3全体に巨大な疣贅と一部弁破壊が,さらにP3弁輪部膿瘍も認められ,ウシ心膜パッチによる弁輪再建後に生体弁による僧帽弁置換術を施行した.術翌日に抜管し,炎症データも漸減し抗菌薬投与により左胸鎖関節部膿瘍も消失した.術後36日目に転院し,現在まで感染性心内膜炎の再燃を認めていない.縦隔炎発症リスクが高い症例では胸骨正中切開ではなく,完全鏡視下を含むMICSアプローチが有用と考えられた.

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