症例は骨形成不全症の45歳男性.身長113 cm,体重28 kg.4年前から無症候性大動脈弁閉鎖不全症で経過観察されていたが,急速な心機能低下を認め1年前より心不全入院を繰り返していた.左室収縮末期径(LVDs)73 mm,左室駆出率(EF)20%,胸郭変形による高度拘束性換気障害も認め,手術はリスクが高く他院で手術適応なしとされ,当院紹介となった.体格や低心機能,低呼吸機能など胸腔鏡下右小開胸アプローチ(MICS)に不向きな要素があったが,骨の脆弱性を考慮し,胸骨切開を避けるメリットが大きいと判断し,胸腔鏡下MICSアプローチによる大動脈弁置換術(AVR)を施行した.術後は心不全管理に時間を要したが,術後53日目に自宅退院した.術後5年現在,心不全症状はなく車椅子テニスを楽しめるまでに回復している.