1991 年 20 巻 5 号 p. 851-856
生体弁付extracardiac conduit手術を施行後長期生存の27例中14例に,生体弁の変性や新生内膜増殖のため再手術を施行した.疾患は肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損症5例,完全大血管転位症4例,ファロー四徴症3例,総動脈幹症,先天性肺動脈弁欠損症おのおの1例である.使用した生体弁はHancock弁が13例,Carpentier-Edwards弁が1例である.再手術時年齢は平均11.8歳で初回手術から再手術までの期間は平均6.6年であった.再手術は初期の4例では機械弁を用い,その後の10例では7例でnonvalved conduit 3例でoutflow patchを用いconduit置換を行った.手術死亡はなく,遠隔死は1例である.全例術後右室収縮期圧および右室対左室収縮期圧比は著明に低下した.現在の右室-肺動脈間extracardiac conduit手術の方針は,初回手術には体重相応サイズの生体弁付conduitを用い再手術時に条件によってnonvalved conduitを用いサイズの増大を図るものとしている.