日本心臓血管外科学会雑誌
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間歇性跛行症状評価に対するトレッドミル運動負荷法の有用性
Lipo PGE1 one shot 静注の効果
瀬山 厚司古谷 彰竹中 博昭久我 貴之藤岡 顕太郎大原 正己善甫 宣哉江里 健輔
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キーワード: 間歇性跛行
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1992 年 21 巻 1 号 p. 54-58

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抄録

間歇性跛行症状を客観的, 定量的に評価することは難しく, このため重症度の比較や治療効果判定は容易でない. 今回われわれは, Lipo PGE1の治療効果をトレッドミルを用い客観的に判定しようと試みた. 閉塞性動脈硬化症による間歇性跛行肢20症例に対し, Lipo PGE1を one shot 静注 (10μg, 1回/日, 1週間投与) し, トレッドミルを用いた運動負荷を行った. 疼痛出現距離 (m) は, Lipo PGE1投与前72.5±41.4, 投与1週間後92.0±53.7と有意に延長した. しかし, 運動負荷により歩行不能に至る距離, 安静時API, 運動負荷前後の足関節部血圧差は, Lipo PGE1投与によって有意な変動を示さなかった. 間歇性跛行症状を客観的に評価する1方法として, トレッドミルを用いた跛行距離の測定は, 疼痛出現距離をマーカーとして用いれば有用であった.

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