日本心臓血管外科学会雑誌
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右房切開を要しない逆行性冠灌流用カテーテルの使用経験
山口 明満北村 信夫川島 雅之野地 智三木 太一大滝 正己
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1992 年 21 巻 1 号 p. 59-61

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抄録

大動脈弁疾患の開心術時における心筋保護法は, 左右冠動脈口より選択的に行われるのが一般的であるが, 心筋保護液注入の間は外科的操作を一時中断せざるをえない. また最近その有用性の報告が散見される冠状静脈洞よりの逆行性冠灌流法 retrograde coronary sinus perfusion (RCSP) は外科的操作を中断することはないが, 従来の方法では右房切開を必要とし, 右房-下大静脈1本脱血 (以下1本脱血) で行いうる開心術でもわざわざ上・下大静脈よりの2本脱血を必要とする. 今回われわれはスタイレット付きRCSP用カテーテルを使用し, 1本脱血により Cabrol 手術を施行し良好な結果を得たので報告する.

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