日本心臓血管外科学会雑誌
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収縮性心膜炎における心膜剥皮術の方法と心臓超音波検査所見による遠隔期評価
齊藤 力寺田 康福田 幸人須磨 久善鰐渕 康彦古田 昭一
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1992 年 21 巻 2 号 p. 155-158

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抄録
当施設では収縮性心膜炎における心膜剥皮術として胸骨正中切開にて右心系全体, 左心系については体外循環非使用下に可及的に絞扼解除する術式を選択してきた. 本法施行13例を対象に, 術後早期および術後遠隔期における心機能について検討した. 術中の中心静脈圧 (CVP), 肺動脈拡張期圧 (PADP), 心係数 (CI) は剥皮前後でそれぞれCVP21.3±5.6, 13.6±4.0cmH2O, PADP19.8±5.5, 11.3±6.6mmHg, CI2.14±1.34, 3.16±1.73l/min/m2で有意な改善がみられた. 手術による直接死亡はなく, 遠隔期死亡は他因死が2例あった. 術後遠隔期 (平均観察期間51か月) における心臓超音波検査上の左室拡張末期容量係数 (LVEDVI), 左室収縮末期容量係数 (LVESVI), 拍出係数 (SI), 左室駆出率 (EF), 平均左室内周短縮速度 (mean Vcf) は, 術前後でそれぞれLVEDVI34.3±12.1, 39.5±14.5(ml/m2), LVESVI17.2±7.8, 13.1±6.7(ml/m2), SI 17.1±7.3, 26.6±12.5(ml/回/m2), EF 45.1±19.2, 61.2±22.5(%), mean Vcf 0.80±0.35, 1.13±0.53(circ/sec) であり, 心室中隔の異常運動は4例中2例で正常化, 左室後壁の拡張期平坦化は6例中5例で改善が認められ, 遠隔期における左心機能は良好であった. 以上のごとく本術式は安全性が高く心機能の改善も概ね良好であると考えられた.
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