日本心臓血管外科学会雑誌
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薬剤抵抗性心室頻拍に対する外科治療の補助手段としての Argon beam coagulator
基礎実験および臨床応用
足立 孝横山 正義板岡 俊成大貫 恭正清水 眞由美新田 澄郎
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1992 年 21 巻 6 号 p. 525-528

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抄録
薬剤抵抗性心室頻拍に対して従来より外科手術および冷凍凝固法などが行われてきた. 冷凍凝固法の有効性は各所でも報告されているが問題点も散見される. われわれは冷凍凝固法にかわる方法として Bard®社システム6000 Argon beam coagulator (ABC) をイヌ心筋で使用し照射時間, 焼灼深度, 心筋凝固野に関し良好な基礎データを得た. この成績をもとに単一起源で非虚血性心室頻拍4例にABCを外科手術の補助手段として臨床応用した. 結果1例では術後心室頻拍は消失し抗不整脈剤の投与は不要となった. 残る3例では心室性不整脈の大幅な減少と薬剤投与量の減少を認め有効であると判断した. ABCは症例を選べば心室頻拍に対しても手術補助手段として有効である.
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