日本心臓血管外科学会雑誌
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腹部限局型解離性大動脈瘤手術症例の検討
山内 正信安藤 太三安達 盛次中谷 充川島 康生
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1994 年 23 巻 4 号 p. 251-256

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抄録

1977年から1992年の8月まで国立循環器病センターで行った腹部限局型解離性大動脈瘤手術症例6例を検討した. これは同時期に手術を行った真性腹部大動脈瘤の1.1% (563例中の6例), 全解離性大動脈瘤の2.5% (242例中の6例) であった. 年齢は62歳から74歳, 平均70歳で, 性別は男2例, 女4例であった. 解離範囲は全例腎動脈分岐下部で, うち1例は3腔解離を呈していた. 全例術前診断可能で, 手術は人工血管置換術を行った. 本邦報告例は自験例を含め30例にすぎず, 解離性胸部大動脈瘤に比し, 発症が緩徐で, 高齢者に多く, また高血圧と動脈硬化を高率に合併した.

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