日本心臓血管外科学会雑誌
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慢性透析患者に対する冠状動脈バイパス手術における周術期管理
術後持続血液濾過の有用性について
牧野 茂行平岩 卓根木下 肇彦藤井 英樹
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1995 年 24 巻 1 号 p. 24-30

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抄録
慢性血液透析患者に対する冠状動脈バイパス手術を7例経験した. 術中は, 人工心肺回路に血液透析と限外濾過を併用し, ICU帰室直後から持続血液濾過による除水とグルコース・インシュリン療法によって水分バランスと血清カリウムを適正に保つように管理した. 術後血液透析は, 術後2日目以降で再開可能であった. 7例全例で術後合併症もなく元気に退院し, 術後3か月~3年 (平均20か月)の経過観察で慢性期死亡・狭心症状再発ともに1例も認めていない. 慢性透析患者に対する冠状動脈バイパス手術におけるわれわれの周術期管理法は非常に有用であった. 慢性透析症例においても, 通常と同じ手術適応で冠状動脈バイパス手術が施行可能であると考える.
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