日本心臓血管外科学会雑誌
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急性循環不全後の急性腎不全に対する持続血液濾過透析 (CHDF) の有用性について
堺 正仁樗木 等坂口 昌之大西 裕幸
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1995 年 24 巻 5 号 p. 316-319

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抄録
最近の血液浄化法の進歩により, 以前は循環動態が不安定で施行が困難であった, 循環器領域の疾患にも血液浄化が安全に施行できるようになった. 今回急性の循環不全を呈し, 急性腎不全に陥った8例の症例に持続血液濾過透析 (CHDF) を導入し, 5例が急性腎不全より離脱が可能であった. CHDF施行中, 血清BUN, Cr, Kは低値におさえられた. また, 8例の急性循環不全中, 4例に経皮的心肺補助装置 (PCPS) を装着し, 全例がPCPSより, 離脱が可能であった. 死因は多臓器不全によるもので腎不全に起因するものはなかった. このように, 急性循環不全および腎不全の治療は体外循環法の進歩により向上してきている.
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