日本心臓血管外科学会雑誌
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急性心筋梗塞後の心破裂症例の検討
麻柄 達夫野島 武久桂 敦史西川 忠男尾上 雅彦勝山 和彦
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1996 年 25 巻 6 号 p. 411-414

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抄録

急性心筋梗塞 (AMI) の重篤なる合併症として心破裂は現在のところ予後不良な疾患の一つである. 当院における6例の心破裂症例について検討し, 心破裂の分類について文献的検討を加え報告した. 1995年3月までに6例のAMI後心破裂に対する手術を経験した. 6例はすべて男性であり, 年齢は59~76歳 (平均65.2歳) であった. AMI発症~心破裂まで8時間から4日 (平均2.6日), 破裂~緊急手術まで1時間から24時間 (平均11時間) であった. 6例のうち2例は術前ショック状態で, このうち1例はIABP, PCPSを使用下に手術室へ搬送した. 2例とも破裂孔は blowout type で Felt Sandwich 法で閉鎖したが出血をコントロールできず死亡した. 残りの4例は心嚢ドレナージ後, 循環動態の改善がみられ, その後手術を施行した. Blowout type の1例は出血にて死亡したが, 出血解離型の2例は Felt Sandwich 法で縫合し, oozing type の1例はフィブリン糊とコラーゲンシートにて止血を行い救命しえた. 出血解離型や oozing type の成績は良好であったが blowout type は不良であり, とくに出血のコントロールや愛護的操作など今後もその対策を検討する必要があると考えられた. 肉眼的病理所見と臨床経過の対応を検討すると blowout 型や Becker のI型は急性型に属し, 出血解離型と oozing type の一部が亜急性期に, oozing type の一部と仮性左室瘤形成型および左室瘤形成型が慢性期症例にあたるものと考えられた.

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