日本心臓血管外科学会雑誌
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Noonan 症候群に伴った成人 (37歳) 動脈管開存症の1手術治験例
市原 利彦石田 英樹朝倉 貞二酒井 喜正保浦 賢三
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1999 年 28 巻 3 号 p. 158-162

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抄録

Noonan 症候群は比較的希な疾患で肺動脈狭窄 (以下PS) を伴わず, 動脈管開存症 (以下PDA) を伴うものは極めて希である. 今回著者らは, 37歳女性の Noonan 症候群のPDAおよび心室中隔欠損 (以下VSD) の根治手術例を経験した. 本症候群に肥大型心筋症 (以下HCM) もあると報告されているが, 自験例は拡張型の様相をした心筋症を呈し, 典型的なHCMは認められなかった. 術後の心不全の軽減や臨床症状の改善は明らかには認められなかったが易感染性は消失した. 本例の根治手術の効果の不確かさは心筋症の関与を示唆し, 手術適応についての検討と今後の観察が必要であると思われた.

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