1歳8カ月男児, 肺高血圧を呈する一側肺無形成に合併した心室中隔欠損 (VSD), 心房中隔欠損 (ASD) の幼児に対し, 側方開胸にて心内修復術を施行した1症例を報告する. 患児は在胎40週, 3,596g, 帝王切開にて出生した. 生後4カ月時に, 胸部X線上右肺陰影の欠如, 縦隔陰影の右方偏位を認め, 胸部CT上右肺の構造は欠損しており, 右肺無形成と診断された. 心エコー検査上, それぞれ径5mmのVSD, ASDを認め, 推定右心室圧は左心室圧の50~60%であった. 1歳7カ月時に心臓カテーテル検査を施行し, 手術適応となった. 右側肺無形成のために心臓全体が著しく右方偏位しており, 右第4肋間開胸を選択することで正中切開と同様の視野を得た. VSD, ASDとも直接閉鎖し, 術後経過は良好であった.