日本心臓血管外科学会雑誌
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胸骨翻転術後13年目に急性A型解離を発症した Marfan 症候群に対する緊急手術
金岡 祐司種本 和雄村上 貴志黒木 慶一郎南 一司杭ノ瀬 昌彦
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2001 年 30 巻 1 号 p. 33-35

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抄録
常染色体優性遺伝の結合織疾患のひとつである Marfan 症候群においては骨格, 関節の異常, 眼症状および心血管の異常がみられる. 漏斗胸に対して胸骨翻転術を行った13年後に Stanford A型急性大動脈解離を発症した34歳, 男性に手術を行った. 手術は胸骨正中切開でアプローチして大動脈基部 Composite graft 置換術および弓部置換術を行った. 術後は翻転部の胸骨が動揺して flail chest となり15日間, 人工呼吸器による内固定を必要とした. Marfan 症候群においては, その生涯に何回かの心血管手術を行うことがあり, 漏斗胸手術後に胸骨縦切開を行う場合は注意が必要と思われた.
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