In situ 動脈グラフトとしてCABGに使用可能なLITA, RITA, GEAを用いた4枝以上のCABG62例 (4枝60例, 5枝1例および6枝1例) を検討した. 対象は男性59例, 女性3例, 年齢は41~82 (平均59.6) 歳. 緊急手術5例 (8%), 心筋梗塞の既往37例 (60%), 糖尿病30例 (48%), 慢性透析6例 (10%), 左室駆出率40%以下15例 (24%). 観察期間は1~101カ月 (平均32カ月). 開存率は sequential (seq.): individual (ind.) ではLITA96.7%: 100%, RITA100%: 100%, GEA89.5%: 97.4%でseq. と ind. に開存率の差はなかった. Seq. のなかではGEAの端側吻合部の閉塞が多く (側々0/19, 端側4/19,
p=0.03) LITAの端側吻合部と比較し有意に高率であった(LITA1/44, GEA4/19,
p=0.01). 5年全死亡回避率は49.6%, 5年心事故回避率は87.2%. GEAの sequential グラフトの適応には末梢部のグラフト径を含めた慎重な検討が重要である.
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