2001 年 30 巻 2 号 p. 106-109
症例は52歳, 男性. 平成11年5月10日にAMIを発症し, 4日後梗塞後不安定狭心症となった. 冠動脈病変はLMTを含む3枝病変であった. また, Leriche 症候群を合併しており, 両下肢の血行は太く発達した両側ITAで灌流されていた. Yグラフトによる腹部大動脈の再建および両側ITAと右胃大網動脈によるCABGを同時に行い, 良好な結果を得た. ITAが下肢の主要側副血行路となっている Leriche 症候群を合併した不安定狭心症に対しては, IABPの使用の可能性, 虚血下肢への血行再建を考慮して同時手術が望ましい.