日本心臓血管外科学会雑誌
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Ross手術における右室流出路再建に用いたpulmonary homograftの中期遠隔機能
野村 耕司黒澤 博身森田 紀代造長沼 宏邦木ノ内 勝士
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キーワード: Ross手術, 右室流出路再建
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2002 年 31 巻 6 号 p. 385-387

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抄録
海外では1980年代からhomograftが臨床応用されているが本邦での使用経験は希少である.今回Ross手術右室流出路再建にpulmonary homograftを用いた14例について検討した.Graft機能を心エコーによるpeak flow(PK),圧較差(PG),弁逆流について調べ,PGと患者の年齢,donor年齢,graft保存期間との相関関係も検討した.年齢は平均17.2歳,手術内訳はRoss手術10例,Ross-Konno手術4例,観察期間は23.1ヵ月であった.PK,PGはそれぞれ1.6±0.4m/s,11.9±5.2mmHgであった.弁逆流は1例にごくわずかに認めるのみであった.またPG-年齢,PG-donor年齢,PG-graft保存期間との間にはいずれも相関関係を認めなかった.23ヵ月の期間では,QOLに影響するような狭窄や弁逆流を認めず,右室流出路再建に用いる材質として優れていると考えられた.
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