日本心臓血管外科学会雑誌
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僧帽弁腱索断裂により急性左心不全,心停止をきたした先天性大動脈二尖弁に対する緊急二弁置換術の1例
鴛海 元博森田 紀代造橋本 和弘水野 朝敏高倉 宏充長沼 宏邦
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2002 年 31 巻 6 号 p. 425-427

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抄録

僧帽弁逸脱症は腱索断裂を比較的高頻度に合併するが,感染性心内膜炎やMarfan症候群の合併なく急激に僧帽弁閉鎖不全を発症し,急性左心不全さらに,心停止にいたることは希である.今回,突然の急性左心不全にて発症し,救急外来受診直後心停止をきたした僧帽弁腱索断裂を伴う急性僧帽弁閉鎖不全症の43歳男性に対し,緊急手術を施行し良好な結果を得た.本症例では術中に先天性大動脈二尖弁による高度の閉鎖不全症の合併が判明し,これによる慢性左室容量負荷増大に加え,急性の腱索断裂が心停止をきたすほどの急性左心不全を招来した一因と考えられた.

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