日本心臓血管外科学会雑誌
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HIV陽性患者に対する冠動脈バイパス術の経験
六鹿 雅登玉木 修治横山 幸房横手 淳石本 直良
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2006 年 35 巻 3 号 p. 140-143

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抄録

HIV(human immumdeficiency virus)陽性患者に対し体外循環を用いた冠動脈バイパス手術症例を経験した.症例は68歳,男性.平成6年より狭心症に対し,当院循環器科で経過観察されていた.平成16年4月左冠動脈主幹部の狭窄の進行を認め,手術適応とされた.術前感染症スクリーニング検査(EIA法)でHIV陽性であり,精査でHIV-I陽性と診断された.後天性免疫症候群AIDS(acquired immunodeficiency syndrome)の発症はなく,CD4 count,HIVウイルス量の結果に基づき手術適応と判断した.術中は従来の感染症患者に準ずる感染対策に基づき定型的手術を施行した.術後は,免疫不全に基づく合併症もなく経過良好で術後12日目に退院した.

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