日本栄養士会雑誌
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実践事例報告
慢性腎不全患者における塩分味覚障害と関連する食習慣と服薬状況
那須 裕子岡垣 雅美小林 ゆき子馬引 美香重村 智栄子練谷 弘子中野 貴美子市川 寛吉川 敏一東 あかね
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2010 年 53 巻 10 号 p. 919-926

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抄録

[目的]透析未導入の慢性腎不全患者に対する減塩指導を効果的に実施するために、塩分味覚障害の頻度と食習慣や服薬状況との関連を明らかにすることを目的とした。[方法]集団食事指導に参加した透析未導入の慢性腎不全患者のうち、有効回答を得た50名を対象者とした。濾紙法による味覚検査と食習慣など46項目にわたる自記式アンケートを実施し、身体状況および血液生化学検査値に関してはカルテを参照した。[結果]対象者の味覚障害の頻度は36%であり、味覚障害と食べる速さ、降圧剤であるアンギオテンシンII受容体拮抗剤の服用が有意に多かった。[結論]慢性腎不全患者に対して、食べる速さや降圧剤内服に関連する味覚障害に配慮して減塩指導する必要性が示唆された。

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© 2010 公益社団法人 日本栄養士会
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