栄養専門資格取得者は、栄養関連加算算定につながる積極的な栄養管理を行っているかもしれないが、この仮説に関する研究報告は見当たらないため、2020年1~2月に公益社団法人日本栄養士会が介護保険施設の常勤管理栄養士に依頼したWeb調査のデータに基づき横断研究を実施した。常勤管理栄養士が1人の施設を解析対象として、栄養専門資格を取得している管理栄養士がいる施設の有無を説明変数とした。目的変数は栄養関連加算(療養食加算、経口維持加算・経口移行加算、再入所時栄養連携加算、低栄養リスク改善加算の4種類)算定有無とし、ロジスティック回帰分析で算定ありの多変量調整オッズ比を算出した。いずれの栄養関連加算でも栄養専門資格取得者がいる施設で算定ありの割合が高い傾向にあり、特に特別養護老人ホームで経口維持加算・経口移行加算のオッズ比が2.00と統計学的に有意に高かった(p=0.04)。栄養専門資格取得により栄養関連加算算定につながる可能性が示唆された。