抄録
東京および筑波における地表大気中のウラン含量は、東京で平均24±15 pg m-3、筑波では、14±10 pg m-3であり、エーロゾル1g当り0.1~0.2μgであった。ウラン同位体234U/238Uの放射能比は0.9~1.7を示し、天然ウランの同位体比変動巾を大きくこえるものが、1979年および1981年3月、1980年4~5月 (海上) にみられた。この高い同位体比の原因としては、1978年1月24日に北部カナダに落下したソ連原子炉積載衛星コスモス954からの、濃縮ウラン放出によるものと推定された。