2025 年 68 巻 3 号 p. 151-160
病院の給食運営におけるニュークックチルシステムは、計画的な調理を行うことで人手不足に対応できる調理システムとされている。今回はその給食運営の実態を把握し、課題を検討することを目的とした。ニュークックチルシステム導入の6病院を対象に栄養部門の責任者から対面またはメール等で情報を収集した。6病院中1病院のみが全ての食事をニュークックチルシステムで提供し、5病院はクックサーブシステムとの併用であった。朝食の全ての料理をニュークックチルシステムで提供していたのは2病院で、4病院は主食や汁をクックサーブシステムで提供し、クールダウン後の再加熱カートに入れる作業を行っていた。その要因としてニュークックチルシステムには献立に制限があること、使用する再加熱カートの機種により特性が異なることが挙げられ、ニュークックチルシステムの効率的な利用が十分にできていない状況が明らかとなった。