日本食物繊維研究会誌
Online ISSN : 2186-5108
Print ISSN : 1343-1994
ISSN-L : 1343-1994
高アミロース小麦デンプン中のレジスタントスターチ量と湿熱処理の影響
谷口 水穂相内 理沙丹羽 順子山守 誠藤田 修三
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 7 巻 1 号 p. 20-25

詳細
抄録
 わが国で新たに創出した高アミロース小麦(HAW)について,小麦デンプン中のレジスタントスターチ(RS)含量について検討した。1)予備実験としてHAWの種子あたりのデンプンを調べたところ,交配により普通小麦に比べてデンプン量が2割程度減少していた。2)HWAのRS含量は,普通の小麦の約5倍量含んでいた。3)HWAを湿熱処理することによりRS含量は倍増した。4)比較のためトウモコロシについて分析したところ,duおよびae遺伝子に支配された高アミローストウモロコシデンプン中のRS含量は,湿熱処理することにより,両試料ともに5倍近く増量した。 以上のことより,高アミロース小麦デンプンのRS含量は,湿熱処理することにより,トウモロコシデンプンにはおよばないものの約2倍程度増量することがわかった。
著者関連情報
© 日本食物繊維学会
前の記事 次の記事
feedback
Top