抄録
境界域および軽度高コレステロール血症の日本人男性を対象に,β-グルカンを含むオートミールの摂取が血中脂質ならびに長期摂取における安全性に及ぼす影響ついて検討した。境界域および軽度高コレステロール血症の男性48名を3群に分け,プラセボ,オートミール30g配合,またはオートミール45g配合クッキーをそれぞれ一日1回に4枚,12週間摂取させた。各群はさらに境界域および軽度高コレステロール血症の層にそれぞれ分けて層別に解析した。 その結果,オートミール45g配合群の境界域層において血清総コレステロール値が低下し,12週間後にはプラセボ群とオートミール45g配合群間で有意差が認められた(P<0.05)。 血球成分,血液生化学成分,臨床所見の成績から,各群において試験クッキー摂取による副次作用は認められなかった。 以上の結果,オートミールを一日45g(β-グルカンとして1.6g)の摂取は境界域のコレステロール値の男性の血清総コレステロール値を低下させ,かつ長期間摂取してもオートミール摂取が原因である副次作用はないことが示された。しかし,軽度高コレステロール血症の男性の場合,背景因子などの理由で明確な有効性は確認できなかった。境界域および軽度高コレステロール血症の日本人男性を対象に,β-グルカンを含むオートミールの摂取が血中脂質ならびに長期摂取における安全性に及ぼす影響ついて検討した。境界域および軽度高コレステロール血症の男性48名を3群に分け,プラセボ,オートミール30g配合,またはオートミール45g配合クッキーをそれぞれ一日1回に4枚,12週間摂取させた。各群はさらに境界域および軽度高コレステロール血症の層にそれぞれ分けて層別に解析した。 その結果,オートミール45g配合群の境界域層において血清総コレステロール値が低下し,12週間後にはプラセボ群とオートミール45g配合群間で有意差が認められた(P<0.05)。 血球成分,血液生化学成分,臨床所見の成績から,各群において試験クッキー摂取による副次作用は認められなかった。 以上の結果,オートミールを一日45g(β-グルカンとして1.6g)の摂取は境界域のコレステロール値の男性の血清総コレステロール値を低下させ,かつ長期間摂取してもオートミール摂取が原因である副次作用はないことが示された。しかし,軽度高コレステロール血症の男性の場合,背景因子などの理由で明確な有効性は確認できなかった。