日本食物繊維学会誌
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食餌性RNA投与ストレプトゾトシン糖尿病ラットにおける血中グルコースおよび血清尿酸濃度に及ぼす食物繊維の効果はそのタイプによって異なる
古口 崇古口 弘美中島 久男高野 三郎小林 謙一山本 祐司和田 政裕印南 敏前川 昭男田所 忠弘
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2008 年 12 巻 2 号 p. 67-80

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抄録

 この研究は,ストレプトゾトシン(STZ)糖尿病ラットに食餌性RNAを投与した場合における血中グルコース濃度および血清尿酸濃度に及ぼす物性の異なる幾つかの食物繊維(DF)の影響を探るために行われた。5週齢の雄ウィスターラットを4群に分けた。つまり,2群はSTZ(70mg/kg body weight)の腹腔内注射によって糖尿病を発症させ,STZ糖尿病および非糖尿病ラットに3%(w/w)酵母RNAの添加あるいは無添加を含む飼料を投与した。各実験群のラットに5%(w/w)DF(セルロース,キチン,キトサン,イヌリン)の添加あるいは無添加を含む飼料を5日間投与した。STZ糖尿病ラットにおいて,キトサンおよびイヌリンは血中グルコース濃度の上昇を抑制することを認めた。この現象はセルロースおよびキチン群において観察されなかった。STZ糖尿病ラットにおいて,試験したDF投与群では無繊維群に比べ,血清中の尿酸濃度を低下させることを認めた。本研究では,食餌性RNA投与STZ糖尿病ラットにおける血中グルコースおよび血清尿酸濃度に及ぼすDFの効果は,そのタイプによって異なることを示している。

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