日本災害医学会雑誌
Online ISSN : 2434-4214
Print ISSN : 2189-4035
調査報告
本邦における災害支援者のレジリエンスと人格特性—質問紙調査—
佐藤 康介掛田 崇寛
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キーワード: 災害, レジリエンス, 人格
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2022 年 27 巻 1 号 p. 110-116

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抄録

【目的】本研究目的は専門的に災害支援に携わる者を対象に、レジリエンスおよび人格特性の傾向について横断調査することである。【方法】本研究は災害支援経験を有する男女19名(41.3±10.8歳)から協力を得て、対象の基本情報に加えて、二次元レジリエンス要因尺度(BRS)、Five Factor Inventory人格検査(NEO-FFI)および状態・特性不安検査(STAI)を用いて実施した。【結果】災害支援に従事する者は一般成人と比して、BRSのレジリエンス得点やNEO-FFIの神経症傾向を除く点数がいずれも高い反面、STAI得点に関しては低かった。また、BRSとSTAIの尺度間ではいずれも有意な負相関が観察された(P<0.05)。さらに、BRSとNEO-FFIの尺度間では外向性、調和性、誠実性との間にそれぞれ有意な正相関が確認される反面、神経症傾向に関してはいずれも有意な負相関が認められた(P<0.05)。【結論】専門的に災害支援に携わる者はレジリエンスが高いために不安の影響を受けにくく、社交的でかつ誠実に支援活動を遂行可能な特性を有する。

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© 2022 一般社団法人日本災害医学会
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