歯科材料・器械
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原著
歯科用アマルガムの熱的挙動について
清水 友鈴木 暎久賀 嘉代子守屋 圭子宮治 俊幸
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1982 年 1 巻 3 号 p. 272-280

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抄録
歯科用アマルガムの熱的挙動を検討するため高温X線回折装置を用いて, γ1, γ2, β1相など回折線図の温度による影響を調べた結果, 以下の結論がえられた.
1)低銅型におけるγ2相の回折線は73℃付近でバックグラウンドに消失する.
2)γ1→β1の変化は練和後の経過時間よりも温度による影響が大きい.
3)温度を上げていった場合, β1回折線の出現は, 高銅型低銅型を問わず73℃付近であるが, γ1回折線の消失温度は, 低銅型より高銅型の方が高くなっている.
4)温度を下げていった場合, 低銅型では40℃付近でγ1回折線が再び出現するが, 高銅型では60〜70℃で同様の現象が起こる.
5)一度加熱により出現したβ1は, 冷却して室温に戻しても僅かに残る.温度変化に基づいたβ1回折線の変化は, 削片型合金の場合, 高銅型, 低銅型を問わず1カ月後にβ1の回折線がバックグラウンドに消失する.
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© 1982 一般社団法人 日本歯科理工学会
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