歯科材料・器械
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原著
レジン床の溶接に関する研究(その4) ―ポリサルホンについて―
木村 博寺岡 文雄斉藤 隆裕
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1982 年 1 巻 3 号 p. 281-285

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抄録
前報では, 最近 Reigning 法で注目されているポリサルホン (P.S.F.と略称) の溶接の可能性を明らかにし, 修復, 調整法としての歯科用P.S.F.の溶接を発表した.すなわち, P.S.F.の溶接強度は, 即重レジンによる接着強度の2倍を期待することが出来ることや, P.S.F.の溶接部には相当気泡が介在しており, 発泡を抑えた溶接の開発が必要であることを明らかにしている.本報では, 発泡を伴わない溶接を行い得る為の研究を行い, 成功したので報告する.発泡を抑える溶接法として, 予備を乾燥採用した.試料は日産化学のP・1700 NTを用い, 10×10×2 mm板を作り用いた.状態調整は20℃で48時間, デシケーター中と生理食塩液中で行い, その後, 予備乾燥を送風定温乾燥器で100〜160℃, 0.5〜24時間行っている.本研究の結果, P.S.F.の溶接部に生じる気泡は, 予備乾燥を160℃で3〜3.5時間行うことによって予防出来ることが明らかになった.
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© 1982 一般社団法人 日本歯科理工学会
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