歯科材料・器械
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原著
歯形状の三次元計測(第9報) : 計測データを用いた切削法によるCAMについて
木村 博荘村 泰治
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1991 年 10 巻 4 号 p. 492-498

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抄録
これまでに形状計測で得たデータを用いて, パーソナルコンピュータ制御モデリングマシンCAMM-3によって6および7臼歯の切削を試みた.切削工具としては, フラットエンドミルを用い, 工具オフセットおよび工具干渉を考慮したプログラムを作成した.工具オフセットに関しては, データの傾きを計算してその符号を決定し, また工具の先端とデータのz座標の大きさを常に比較して工具干渉による削りすぎがないようにした.被削材はワックスを用い, 3.0mm, 1.0mm, および0.6mmのフラットエンドミルで, 切削深さを順次深くして掘り進めて行き, 7支台歯とデータベース用7健全歯を切削した.切削に要した時間は約1時間であった.最終的には, 計測した模型にかなり正確な形状に切削加工することができた.一方, 内面加工用の工具オフセットおよび工具干渉を考慮したプログラムによって, 7支台歯データの内面切削も行うことができた.また, アンダーカットのある6健全歯の切削も, 最大豊隆部を認識することで, 削りすぎを起こさないように考慮して行った.このように, 計測データをもとに内外面の切削ができた.今度, 内外冠の位置合わせや精度の向上などを検討したい.
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© 1991 一般社団法人 日本歯科理工学会
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