歯科材料・器械
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原著
アルジネート印象材による模型の再現性に関する研究 : 弾性的性質の影響
新田 英行
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1992 年 11 巻 2 号 p. 185-195

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抄録
模型の再現性を向上させるための適切なアルジネート印象材の弾性ひずみ量について検討を行った.材料は, 印象材として主に組成比率の調製によって弾性ひずみ量を10〜21%の範囲で5段階に変化させたアルジネート印象材を試作し, 使用した.模型材として硬質石こうを使用した.ストレート, テーパーおよびアンダーカットタイプの3型の原型を使用して模型を作成し, 模型の寸法精度および変形について三次元座標測定システムにより測定を行った.その結果, ストレートおよびテーパータイプの模型では, 弾性ひずみ量の影響は認められなかった.アンダーカットタイプの模型では, アンダーカット下部が広がる変形が認められたが, アルジネート印象材の弾性ひずみ量の減少に伴って変形が減少した.模型の再現性を向上させるための適切な弾性ひずみ量は, 15〜17%であることが示唆された.
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© 1992 一般社団法人 日本歯科理工学会
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