歯科材料・器械
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原著
スプルーの条件がチタン鋳造の鋳込率に及ぼす影響
黒岩 昭弘
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1992 年 11 巻 2 号 p. 262-277

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抄録
スプルーの条件は, 鋳造性のみならず技工操作にも関与し, 鋳造を行う上で必要不可欠である.本実験はチタン鋳造の成功率を向上するために, スプルーに関しての基礎的検討を行った.スプルーの条件はスプルーの直径を5条件(0.88, 1.06, 1.26, 1.48および2.10mm), スプルーの長さを2条件(5および10mm)とし, それぞれの形態の異なる2つのパターンを用いて実験を行った.その結果, 次のことが明らかとなった.本実験に用いたメッシュパターンは2.1mm以上のスプルー径を用いれば良好な鋳造体が得られる.板状パターンによる鋳造は1.48mm以上のスプルー径において良好な鋳造体が得られた.メッシュパターン, 板状パターンにおいてスプルー径はチタン鋳造の鋳込率に大きな影響を及ぼし, スプルーの長さについては影響の大きく生ずるものと影響の小さいものがあることが認められた.2つの鋳造性評価方法を用いることにより, より確実で鋳込率の高い鋳造方法を検討する可能性が見出された.
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© 1992 一般社団法人 日本歯科理工学会
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